FLY TO THE FUTURE-第1章 途方もない夢への離陸2-

2018年01月19日

 上京した義三は、下宿生活を送りながら大学での

日々を楽しんでいた。好奇心いっぱいの義三にとっ

て東京は刺激される都であった。時は大正初期、

日本橋の三越呉服店では鉄筋地上五階地下一階建て

のエレベーター付きの豪華な新館が完成した。

丸の内ではのちの東京海上ビルディングの建設工事

が着工された。山梨の田舎とは風景が全く違う。

行き交う人々の服装も全く違う。特に東京の女性は

みんなきれいに見える。カレーライス、とんかつ、

コロッケは三大洋食と言われ、義三は東京で初めて

口にし、「こんなうまいものがあるのか」と感激

した。

 そんな東京での生活が二年も過ぎた頃、義三は

ある日とんでもないものと遭遇した。

 空の上から低く唸るような音が聞こえてきたと

思って見上げると、大きな機械が飛んでいたので

ある。

 「おおっ、すごいな!」

思わず叫ぶと、一緒にいた大学の友人が

 「あれは飛行機というんだ」

と教えてくれた。

 「飛行機?」

 「そうさ、羽田の日本飛行学校から飛んで来た

 んだろう」

上下に二枚の羽根がついた飛行機(複葉機)が飛び

去っていくのを見送りながら、義三はこれまでに

ないものを見た興奮に包まれていた。この空飛ぶ

機械を見たことは、刺激に溢れた東京生活の中でも

とびきり印象的なできごととなった。


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