人生論㊴

2017年06月19日

―武者小路実篤の著書をまとめてみました―

39.他人を信用しないのはいけないが、その信用

の仕方は、他人は他人という基礎を許しての上の

信用でなければならない。勿論信用出来ない人も

いるが、信用出来る人は信用しなければならない。

しかし他人に求むべからざるものと求めるのは、

間違いの元であり、人間は信用出来ないなぞとい

う結果になる。

 人間はある程度の利己的なところがあるのは当然

である。いかに友情が厚くも、いかに忠義な家来

でも、我が身可愛いにかわりはない。肉体の苦痛は

他人に通じはしない。その人その人が自己の生命

を愛し、又出来るだけ自分に託された一つの生命

に忠実になろうとすることは良いことなので、

自分の為に他人をまげようとするのは、まげよう

とする方が良くないので、その時他人がまがらな

かったと不平を言う権利はないのだ。

 友情の価値は両方が独立性を傷つけずにつきあえ

るという点にあるのだ。

 

武者小路実篤(1985.5.12~1976.4.9)

 学習院初等科、中等学科、高等学科を経て、
1906年に東京帝国大学社会学科に入学。1907年、
学習院の時代から同級生であった志賀直哉や木下
利玄らと「一四会」を組織する。同年、東大を
中退。1908年、回覧雑誌「野望」を創刊。1910
年には志賀直哉、有島武郎、有島生馬らと大学
雑誌『白樺』を創刊。これに因んで白樺派と呼ば
れる。トルストイに傾倒した。また白樺派の思想
的な支柱であった。
 晩年盛んに野菜の絵に「仲良きことは美しき哉」
「君は君 我は我なり されど仲良き」などの文
を添えた色紙を揮毫したことでも有名である。
昭和40年代には日本中の家に色紙があった。


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