〜十章 国を豊かにするために何ができるか<義勇>〜国を思うとはどういうことか

2015年07月01日

 

 『教育勅語』のなかに「一旦緩急アレバ

義勇公ニ奉ジ」とあります。これは、国の

危急の場合や一大事が起こったときには、

義勇を持って公のために奉仕する、という

意味です。

 「義勇」とは、正義と勇気のことです。

「正義」とは、人としての正しい道であり、

他の人や人々の権利を尊重して正しく判断

する道理です。「勇気」とは、自分の強い

信念を持って立ち向かって行く強い気持ちです。

 歴史を見ると、国の危急の場合や一大事と

いうと、まずは戦争がありました。たしかに、

もしも戦争が起こったら、誰でも自分の家族

や友人を守りたい気持ちになるのは当然で

あり、自分の国を守ろうとするでしょう。

 しかし、ここで誤解してはいけないのは、

義勇とは自国のために相手の国を犠牲にする

ような戦いではありません。あくまでも、

自分の愛する者たちを守るための行動であり、

国に何かあったらしっかり守るという気持ち

なのです。

 そのために、日本人として生まれてきた

意味と誇りを学ぶことは大切です。『教育

勅語』に「皇祖皇宗、国ヲ肇ムル」とある

一文は、神武天皇が国を始めたことを指して

います。日本という国は神武天皇に始まり、

天皇家は国民のことを赤子(せきし)といい

ました。赤子とは子どもです。赤子の赤は

日の丸であり、日の丸は天照大神を意味します。

 このような国の始まりや国のあり方という

のは、どの国にもあるのです。ですから、

自分の国の歴史をよく知って誇りを持つのと

同じように、他国の歴史を知り尊ぶ姿勢も

必要です。

 

 日本航空学園のように世界のさまざまな国から

留学生が学びに来ている環境では、とくにその

ような互いの国を尊ぶあり方が学べると思います。

 学園では、毎日の朝礼時に国家「君が代」と

ともに日の丸を掲揚し、夕方には国旗降下を

行います。このときには、教師も生徒も直立不動

の姿勢で国旗に敬礼します。国家を象徴する

国旗に、敬意を表しているわけです。

 同じように、どの国の国旗にも敬意を表す

べきですから、学園では、留学生たちのそれぞれの

国の独立記念日にはその国の国旗を掲揚し、

国歌も流します。留学生たちは、自分の国に

誇りを持って日本に来ていて、学校で自国の

国旗が掲揚されることをとても喜んでくれます。

 自分の国に誇りを持つためには、自分の国の

歴史とともに文化も理解しなくてはなりません。

そして、他の国の人に自分の国のよさをきちんと

伝えられるようにする努力が必要です。

 われわれが普通のことのように思っている

ことでも、いったん海外に出て外から日本を

眺めてみると、あらためて発見するすばらしい

ことがあります。「え、そんなものが?」と

思いがちなことに、新たに魅力を感じたりする

ものです。

 じつは、日本特有のもののひとつに、ウォシュ

レットなどのトイレの温水洗浄便座があります。

あれは日本にしかありません。このトイレも

毎日お風呂に入る習慣も、清潔を尊ぶ日本の文化

といえます。海外にはウォシュレットどころか

トイレすら満足にない国もあれば、シャワーだけで

すませて浴槽に入る習慣のない国もあります。

 こうした日本らしいといえる清潔の文化が、

どこから来ているのかといえば、禊の精神、

つまり神道の文化がもとになっています。神道では、

自分の罪を洗い流すため、あるいは重大な神事を

行う前に、水で体を清めます。私たちが神社に

お参りをするとき、まず手水(ちょうず)を

使って手を洗い口をすすぎます。あれがまさしく

禊なのです。

 また、日本という国は、四季がはっきりしていて、

春、夏、秋、冬の切り替えがある自然豊かな

美しい国です。それぞれの季節に風物詩があり、

生活に取り入れて楽しんでいます。

 春は、桜、花見、七草、雪解けのせせらぎ。

 夏は、花火、風鈴、かき氷、蛍、海の家、川遊び。

 秋は、月見、虫の声、すすき、紅葉、きのこ狩り。

 冬は、正月遊び、雪見、餅つき、こたつ、つらら。

 

 春と秋のお彼岸には先祖の墓参りをするとか、

お盆には迎え火を焚いて先祖を迎えるとか、供養

にも季節が関わっています。三月三日の桃の節句、

五月五日の端午の節句など、あげればきりが

ありませんが、日本の年中行事に代表される伝統

文化では、そのような節目、切り替えが大切に

されてきました。


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